
どうも、ツツジです。
遅ればせながら、“秒速で1億を稼ぐ”で有名な、
与沢翼さん著書の『ブチ抜く力』を読了しましたので、
今回はその書評・感想を書こうと思います。
私がこの本を読み終えて感じたこと。
それは、
『与沢さんにも守るものが出来たんだなぁ』
という事。
この考察は一番最後にお話させていただきますが、書評に触れる前に、与沢翼さんをご存知ない方のために簡単にご説明しましょう。
与沢翼さんについて
2019年現在、ドバイ在住で資産70億の投資家兼実業家。妻子あり。
過去に「秒速1億」や「ネオヒルズ族」という言葉を生み出した、常に一般予想の「斜め上」を狙い続けるスタンスの持ち主。
現在の投資スタイルはファンダメンタルズを主とした手法。株式や仮想通貨を主戦場とし、多大な利益を運用利益を生み出している。
とまぁ、この辺りはWikiやご本人のツイッターをフォローしていればわかると思いますので、さっそく書籍の方に移っていきますね。
書評『ブチ抜く力』で伝えたかった本質とは
本書を通して、私が感じた事は大きく以下の3点です。
①本質を見極めること
②常に疑いを持つこと
③人は環境に依存する生き物であること
それぞれ見ていきます。
①本質を見極めること
本書内で幾度となく使われているワード。
『センターピンを見極める事』
これが本書の肝である事は間違いありません。
投資対象を見極める時も、
不退転のダイエットを決め込んだ時も、
新しい事業を始める時も・・・・。
あらゆる行動に対して、「本質となるセンターピン」をキチンと自分の中で仮定して、実践しながら微調整していく。
そして、定めたセンターピン「だけ」にフォーカスして、「選択と集中」を超短期間で行う事で、“結果的に”ブチ抜く力を生み出しているのです。
ここで理解しておかねばならないこと。
それは、程度の差こそあれ、「ブチ抜く力」は誰でも再現可能な、後天的に備えることができる“力”であることを本書が示していることです。
モチロン、「鬼」動き続け、「鬼」思考し続けなければ到達不可能な領域である事は疑いようの無いことです。
ですが、その「ブチ抜けた存在」になることが「一個人でも可能である」という事。
会社ではなく、個人が主体となる今後の世の中の情勢では、何かに「ブチ抜けた存在」にならなければ、他者との差別化が出来ずに、埋もれていってしまうのが現実です。
だからこそ、「ブチ抜けた存在」になるためには、『センターピンを見極める事』が不可欠である、という事を本書全体を通して読者に訴えかけているのです。
②常に疑いを持つこと
本書を読むと、与沢さんが
「如何に周りの意見を聞きつつも、それが本当に有効なのか?本質なのか?」
という事を疑っていることがよく分かります。
特にダイエットをしている間の時はそれが顕著ですね。
SNSは元より、専門家の意見すら9割信じずに、自分の考えた道を突き進んでいます。
モチロン、SNSも専門家からの意見も、悪意があるわけではありません。
ただし、与沢さんは「自身が納得する形でなければ、適用しない」と言うスタンスから、食事制限と運動、絶食までを極限まで行い、減量を成功させました。
ここで注目なのは、必ず毎日データ(体重)を取っていたこと。
恐らく体重だけではなく、摂取したもののバランスや水分まで計算にいれて、こと細かに「データの見える化」をしていたのだと思います。
1つのことにコミットする(結果を出すために全力を尽くす)ということは、一切の妥協は無いわけですから、それくらいしていても全く不思議ではありません。
そして、その結果をキチンと、自身にフィードバックし、翌日以降の減量計画に遅れが出ないように管理していたと思います。
その辺の適当なダイエットとは異なり、この減量計画は与沢さんにとっての一つの「プロジェクト」であったに違いありません。
しかも、超短期間で結果を求め、かつ絶対に成功させなければならないプロジェクトです。
だからこそ、最初から言われていた意見については、明らかな事実と自身に合ったダイエット方法以外は全て捨て、最速・最短で挑んでいたわけです。
常に疑いの目を持って、それが正しいかをトライアンドエラーで見定めていくこと。
今の現代ではあまりにも情報が溢れすぎており、文字通り玉石混交(良いものも悪いものもごっちゃになってる)といった状態なのです。
こういった物事を見定める事が自発的にできなければ、今後発生するであろう情報洪水という巨大な流れに飲まれ、流されていってしまうという事を暗に伝えていると感じました。
③人は環境に依存する生き物であること
例えば、以下のようなことですね。
・一回の失敗すらも恐れて、挑戦すらしない方
・人の意見をそのまま聞いて、良いように扱われてしまう方
・空気を読んで自分という「個」を殺し続けてしまう方
・何も考えずに、成長しない分野で必死に種まきをする方
・ダイエットに挑んでも直ぐに諦めて、本気になれない方
日本社会ではよくあることですよね。
ですが、上記で挙げたような方たちの生き方では「先がない」のです。
本書ではそれが鋭く指摘されています。
何故、そのように感じたのか?
先程も伝えた通り、これからの世の中は「会社」で生きるのではなく、「個人」で生きる事にシフトしていきます。
というか、もうアメリカではシフトしており、2020年にはアメリカの労働人口の4割近くがフリーランスやフリーエージェントとなるそうです。
日本がアメリカより10年近く遅れているだけなのですが・・・。
日本がこの流れに乗るのは避けようがない未来です。
それは働き方改革や残業時間に関する上限規制も定まってきていますしね。
そして、この「個人」で生きる事にシフトする中で最も必要なのは、「主体的(能動的に、自分から)に動くこと」なのです。
先程、挙げられた例はほぼ「受け身」でしたね。
このような「”受動的な生き方”では今後、非常に生きづらい世の中になってしまう」のです。
誰かの指示がないと何をすべきか分からなかったり、失敗が怖くて何もできなかったり、ということですね。
人は与えられた環境にひどく影響を受けるため、ぬるま湯や思考停止するような職場であった場合は、自己判断能力が成長しないまま、貴重な時間だけを消費してしまうのです。
そして、70歳の定年近くなってから、これからどうすべきかを考えるという事態になった時に、自分では何も決められない人間となっていたことに初めて気づく・・・。
実に恐ろしい話です。
与沢さんは本書で、
「そのような状況にならないように」
そして、
「既にそのような状況になっていた場合はどうすべきか」
を各章にチェックポイントを用意しています。
しかも、全150を超えるチェックポイントです。
このチェックポイントはどれも金言ですので、一見の価値ありです。
いずれにしても、劇的に人生を変えたければ、環境を変えてみることは間違いなく「有り」です。
当然、それに伴い、生活が苦しくなったりする場合もあるでしょう。
ですが、インターネットとパソコンさえあれば、ビジネスのチャンスは無限にあるのです。
それこそ主体的に動きまくり、無我夢中で没頭することで「他を圧倒的にブチ抜いた存在になる事」も可能になるのです。
と、ここまでが与沢翼さん著書の『ブチ抜く力』の書評でした。
ここからはツツジの深読みです。
興味のある方だけ、お読み頂ければと存じます。
本書を仕掛けた本当の狙いとは
与沢さんが本書を書いたのには、何かしらの戦略や想いがあるのではないかと思っています。
ここでは、その部分について深読みをしてみたいと思います。
<可能性①>実績作り
与沢さんは過去にも何冊か本を出版しています。
それがこちら。
2012年 スーパー フリーエージェント スタイル 21世紀型ビジネスの成功条件
2013年 秒速で1億円稼ぐ条件
2013年 秒速で10億円稼ぐありえない成功のカラクリ
2014年 告白
2014年 はだかの王様 億万長者がすべて失ってわかった絶対にやってはいけない42のこと
2019年 ブチ抜く力
2012年から毎年出していた出版物は2014年の破産から停滞、そして今回の2019年に出版という流れを見ると、5年振りの復活を込めた1冊としてのポジション(実績)を作ったと言えます。
ですが、今の与沢さんに「その実績は必要か?」と考えると、そこまで強い理由にはならないと思います。
なぜなら、わざわざ本を執筆しなくても、ツイッターを始めとしたSNSで十分に与沢さんは復活していることが分かるからです。
ゆえに、これは「センターピンではない」と判断しています。
<可能性②>ブランド戦略、イメージ戦略
「ネオヒルズ族」、「六本木で豪遊」、「デブ(酷)」
と言うイメージから、
「投資家」、「激ヤセ」、「ドバイ在住」、「一児のパパ」
という、与沢さんの最盛期しか知らない方にとっては、完全に逆張りとなる「斜め上」のイメージ戦略として今回の本を出版した可能性ですね。
これはメディアが間違いなく食いつきます。
食いつかないわけがない。
これは事実、そこそこ狙っていたと思います。
与沢さんお得意の戦略ですので。
そこで、改めて考えます。
「このブランド戦略、イメージ戦略を取って、何か利益があるのか?」
そこで最初に思い浮かんだ言葉が、
「10年先を見る」
という言葉。
これが指し示す答えは、
「不動産」
つまり、生まれ変わった(?)与沢さんの姿をメディアが取り上げ、過去のひどい状況の与沢さんと現在の与沢さんを比較し、
「今の与沢翼さんは、こんなにもプラスに変わったんだ!」
というギャップを強く印象付けさせます。
そのプラスの印象を持つ与沢さんが手がけた不動産があるのであれば、
「ちょっと気になるな」
という方が必ず出てきます。
そしてその中から、実際の物件を見に行ったり、契約したりする方が発生すると言う流れです。
契約すればモチロン、家賃収入と言った不労所得(キャッシュ)も入ってきますよね。
しかも長期的に。
事実、与沢さんの不動産物件は全て契約が完了しています。
少なからず、本書を出版したことで、プラスな影響は出ていたと考えて良いかと思います。
では、これが本書を出版した「センターピン」なのか?
それらしい気がするんですが、多分違います。
何故か?
不動産が主目的であれば、
「”書籍”という面倒な形式を取る必要性が薄いから」
です。
極端な話、与沢さんレベルの有名人となると、わざわざ書籍を書かなくても、相手から
「買わせてください!」
と言ってくる方も中にはいると思います。
であれば・・・・何故、本書を出版したのか・・・?
<可能性③>その他
私としては、この可能性③が「センターピン」であると思っています。
では、この「その他」とは一体何か。
『ブチ抜く力』の書評は様々ありますが、誰も触れていないことです。
大抵の書評は、
「ためになる!」
とか、
「やる気が出てきます!」
とか言っていますが・・・・。
そうじゃない・・・。
そうじゃないんですよ・・・。
もっと深く思考しなきゃダメ。
それらは全て『副産物』でしかありません。
よくよく考えてみてくださいよ。
あの“与沢さん”が、大事な大事な家族との時間を削ってまでして書いた「本書」なのです。
人間関係を極端に嫌う与沢さんが「一般の方のために本書を書く」とは思えません。
ちょっと酷い言い方かもしれませんが(笑
そして、これは、与沢さん自身のために書かれたものでもないのです。
それは、可能性①と可能性②でご説明いたしました。
では、何のために、本書を書いたのか?
・・・・・。
本書は、たった「一人」のために書かれた本なのですよ。
誰のためか、分かりますか?
そう。
愛息子の『麗君のために書いた本』なのです。
それ以外に、いや、それ以上に、与沢さんが本書を書く理由が無いんですよ。
与沢さんは、
「いつ自分が死んでも良いよう、常に最悪な事態を想定し、なおかつその事態を打開できるように考え抜いている」
と以前語ったことがあります。
その与沢さんが最も恐れていることは、文字通り、「自分が若くして亡くなってしまうこと」です。
5億2千万のシンガポールの生命保険に入ったのもそう。
この保険に入ったおかげで、これでお金の心配は全くなくなったと与沢さんは思ったに違いありません。
ですが、ここである問題に気がつくのです。
「愛息子である麗君に、父として、男として、投資家として、数多くの事を伝えきれないかもしれないという可能性がリスクとして残存している」
ことに。
麗君への教育には、間違いなく関わりたいと与沢さん自身も思っているはずです。
それが出来ないとなると、他人や一般社会の勉強に麗君が染まってしまうという不安が残ってしまいますからね。
それに、考えても見てください。
与沢さんは中学時代から暴走族やら刑務所で寒い思いをしたとか、アパレルで倒産したり、仲間に裏切られたり、それこそ波乱万丈な凄まじい経験をしてきています。
その長年の経験から、与沢さんは基本的に「他人」を信用していません。
ですが、与沢さんがいなければ、その「信用していない他人からの教育」を麗くんは受けざるを得なくなるでしょう。
そして、その「麗くんへの教育」が与沢さんの想定したものと異なっていたら・・・?
その点が最も与沢さんの心残りになるのでは無いかと思います。
与沢さんが経験してきた波乱万丈の人生を、麗君にも経験して欲しいとは絶対に思っていないと思います。
子供にツライ経験をさせたいと思う親はいませんからね。
私も2児のパパとして、そう思いますし。
だからこそ、与沢さんの経験した事、実践した事、考え方といった事を『回顧録』として、『分かりやすく』本書にまとめて出版したのではないかと思っています。
そして、一般書とする事でこの世から本書が消滅するリスクを格段に下げているわけですね。
これなら、確実に麗君も手にとって読むことが出来ます。
これが本書の「センターピン」だと私は判断しています。
この「①麗くんへの教科書」という「センターピン」を携え、
周囲に、
②実績作り
③ブランド戦略、イメージ戦略
④不動産
⑤印税
というピンが囲むイメージですね。
つまり、本書を出版することで、一石五鳥を実現しているのです。
凄いですよね・・・。
そう考えると、表紙の与沢さんの写真も「格好いい、強い父親」の佇まいって感じがしませんか?
私には、そう見えますよ。
おわりに
最後に、私は別に与沢さんのファンや信者とかではなく、一個人として成功者である与沢さんのことを分析しているだけですので、あしからず。
素直に超凄い方だと思います。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
不明点や気になったことは何でもお問い合わせくださいね。
では、また次回に。
ツツジ